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獲る人

無線部 通信長

2004年入社

HISAJI SUZUKI

鈴木 寿治

全方位のコミュニケーションを
大切にして、一体感のある環境を
つくり出す。

鈴木 寿治

鈴木 寿治

HISAJI SUZUKI

無線部 通信長

2004年入社

船乗りだった親族の影響から、幼少期より船に乗る仕事に就きたいと考えていた。現在もプライベートでは小型船を操り、釣りを楽しんでいる。

無線部として、船の通信設備全般の維持管理や外地への入出港手続きはもちろん、捕鯨の現場ではソナーを駆使して水中の鯨の動きをつかみ捕獲のチャンスをつくる……このような多岐にわたる業務を担う通信長の入社の経緯や仕事のやりがい、今後の目標などを聞きました。

船外との連絡や鯨探などを担い、仲間の業務のサポート。

私の祖父と父が船乗りだったこともあり、小さい頃から「いつかは船に乗りたい」という憧れがありました。また、地元が鯨と関わりの深い地域だったこともあって、共同船舶の仕事に興味を持ったんです。

入社後しばらくは甲板部に所属し、30歳になる頃に現在の無線部に異動しました。無線部はその名前の通り、船外通信や、天気図、新聞の受信、そして遭難時における遭難信号の発信など通信に関わる業務全般を担います。また、会社との連絡の窓口となり、入出港に関するさまざまな通知、物資の補給の手配なども担当しています。

さらに、共同船舶の無線部特有の仕事として、ソナーを使って水中の鯨の動きをつかむ「鯨探」があります。発砲チャンスの少ない状況ではソナーの出番。音の聞こえ方によって鯨の位置を特定し、砲手に伝える必要があるため、経験を積むこと、鯨の癖を知ること、そして砲手との連携も重要になってきます。それでも取り逃すケースもありますが、そのときは記憶が新しいうちに動画で見返し、次の捕獲に活かすようにしていますね。

「船内融和」を意識し、一体感を育む。

この仕事の魅力は、「鯨に関わることができる」の一言に尽きます。目視や捕獲、解剖。そのすべてを仲間と一緒に取り組み、鯨を食卓に届けるという目的を達成することがモチベーションになっていますね。

乗組員は、家族よりも長い時間を共に過ごす存在です。そんな身近な存在だからこそ、一体感を高めることが重要だと思っています。一体感のない現場は仕事がスムーズに進まず、それによって重大な事故や怪我につながる可能性も否定できません。だから、「船内融和」を意識しています。食事は基本的に全員が同じタイミングで取り、初漁のときは獲った鯨をみんなで味わいます。また、誰かの誕生日にはお祝いをすることもありますね。みんなで楽しく話をしたりお酒を飲んだりして良い雰囲気を醸成することで、気持ちよく仕事に取り組むことができています。

未経験でも、やる気があれば成長できる。

常に心がけているのは「無事故無災害で帰ってくる」ということです。私たちの仕事は、少しのミスが大きな怪我につながることもあります。たとえば作業中は集中して周りが見えなくなるときもあるので、危ないと感じたときは大きな声で注意します。

機械のトラブルには遭遇したくありませんが、機器の不調は重大な事故につながりますので、船上では自分たちで対応します。以前機器類に問題が発生したときは、先輩たちが残してくれた記録を確認したり、周りの人に相談したりしながら、なんとか対応することで事なきを得ました。

共同船舶は、みんな仕事熱心で妥協しない、まさにプロフェッショナルな姿勢を持った人が多いと感じます。とはいえ、最初から特殊な知識や技術を持っていなくても、やる気があれば大丈夫です。私自身、水産や船とはまったく関係のない学校の出身ですが、入社して早々に資格や免許を取らせていただく機会を与えていただきました。今後は無線業務や鯨探などのレベルをもっと上げて、より一層捕鯨の仕事に貢献できるようになりたいです。