津田 翔伍
Shogo Tsuda
製造部 製造手
2017年入社
製造部 製造手
2017年入社
Shogo Tsuda
津田 翔伍
津田 翔伍
Shogo Tsuda
製造部 製造手
2017年入社
母船に引き上げられたクジラを解体し製品にするのが製造部です。その中でも、丸ごとのクジラに直接刃を入れる「大包丁」は選ばれた者だけが任される重要な役割。若くしてその大包丁を託された津田に、次世代へ技術を継承していく思いを語ってもらいました。
陸上自衛隊を満期退職した後、父が船舶関係の仕事に従事していたこともあり「船の仕事はどうか?」と勧められました。自分でも求人を探していたところ、共同船舶の「捕鯨船で南極海へ行ける」という話に魅力を感じ、応募を決めました。
船の仕事は初めてということもあり、不安はありましたが、事業内容を調べたり、担当者から話を聞くうちに、捕鯨への興味や意欲がさらに湧き、入社を決断しました

私が所属している製造部は、母船(ぼせん)と呼ばれる内部に工場がありクジラを解体・冷凍保管する大型船の中に職場があり、デッキ・パン立・急冷の3つの部署に分かれています。
デッキはさらに解剖チーム(鯨体から皮を剥いだり、背骨から肉を切離す)と截割(さいかつ)チーム(大きな肉の塊を切り分ける)の2つに分かれており、私は主に解剖チームで大包丁を担当しています。
最初は「自分にできるだろうか」と不安もありましたが、先輩方が一から丁寧に教えてくださり、その不安はすぐに解消されました。
仕事中も先輩たちは気さくに声をかけてくれ、相談事にも親身に応じてくれるので、職場の雰囲気はとても良いと感じていますね。

今では、20メートルを超えるナガスクジラを捌くこともあります。
大包丁は誰でも任されるわけではありません。
そのため大包丁を持ってクジラを解剖していることに大きなやりがいを感じています。
特に嬉しかったのは、先輩方に大包丁の技術を認められ「明日から背上り(せあがり)をやってみろ」と言われた瞬間です。
※背上がり:昭和の時代では解体を極めた解剖長が行っていた。
「背上り」は解剖の中でも花形の仕事で、これまでの努力がようやく実を結んだのだと感じ、めちゃくちゃ嬉しかったです!

母船の解剖甲板(まな板が敷き詰めてある)にクジラを引き揚げたら、まず大包丁で捌き、その後は小包丁でさらに細かく製品分けを行います。
私は機器の担当もしているので、試運転と点検を毎日行い、必要に応じて整備や調整も行います。クジラが揚がった際に速やかに作業できるよう、常に機器が正常に動くよう心がけています。
今後は、大包丁の技術にさらに磨きをかけて、いつかは解剖の頂点である「解剖長」になりたいですね。
また、現在は見習い大包丁の育成にも携わっているので、後輩をしっかり一人前に育て上げる事も大きな使命だと感じています。

この仕事は、なかなか経験することのできない、とても貴重でやりがいのある仕事だと感じています。
大きなクジラを間近で見ることができるし、自分達が捌いて製品にしたクジラが飲食店やスーパーで並んでいるのを見ると、達成感と喜びが溢れますね。
入社する方たちは、ほとんどの事が初めての経験で、不安になる事もあると思います。でも、仕事は、先輩方が一から丁寧に教えてくれるので、安心して働ける環境が整っています。
また、母船(関鯨丸)は全員個室でネット環境も整い、プライベートも大切にしながら有意義に過ごすことができます。
現在ではクラブ活動もあり、乗組員同士で交流したり、リフレッシュする時間が持てる為、仕事へのモチベーションもぐんと高まりました。
捕鯨の文化と技術を継承していくために、やる気のある方にはぜひ挑戦してほしいと思います。
