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獲る人

機関部 一等機関士

2014年入社

TAKASHI MATSUBARA

松原 嵩

船を守り、乗組員を守るために、
船の状態をしっかりと見極める。

松原 嵩

松原 嵩

TAKASHI MATSUBARA

機関部 一等機関士

2014年入社

船の点検・整備という重要な役割を担う一等機関士。船上での休憩時間やオフの日は、健康維持やストレス発散のためにトレーニングをしている。

職場であり生活空間でもある船には、スムーズな捕鯨や快適な暮らしを支えるためにさまざまな機器が存在します。それらを日々点検・整備しているのが、機関部のメンバーです。一等機関士として船を守っている松原に、仕事と向き合う姿勢ややりがいについて聞きました。

乗組員の仕事と暮らしを、陰から支える。

もともと機械に興味があったことと、将来に役立つ免許を取得したいと考え、下関にある水産大学校に通っていました。進路を考えているときに「調査船に乗りたい」という想いが芽生え、当時の先生が共同船舶を紹介してくれたんです。

現在は機関部に所属し、一等機関士として働いています。主な仕事は、機器の点検や整備をすることです。船には、プロペラを動かすメインエンジンや、電気を供給する発電機、快適な居住に不可欠な空調機や造水機、製品のための冷凍装置など、さまざまな機器があります。それらを機関部のメンバーで交代しながらチェックしています。一等機関士の主な担当機器は航行に関わるメインエンジンですが、メイン担当者が当直に入っていないときはそれ以外の機器の点検・整備も行う必要があるため、幅広い知識が求められますね。

無事に航海を終わらせる責任とやりがい。

何事も起こらないのが一番ですが、一度の航海が約半年と長期にわたるため、どうしても機器に不具合が生じることがあります。そのため、点検には細心の注意を払い、トラブルが発生したときは即座に対応し、操業に極力支障が出ないように努めることが重要です。一度、急速冷凍機の冷媒が漏れてしまうという事態に見舞われたことがありました。新鮮な鯨肉を届けるためには、捕獲してから素早く解体して冷凍保存する必要があるため、冷凍ができなければ捕鯨そのものが成り立たなくなります。このときは他の部署に相談して短時間操業を停止してもらい、その間に迅速に対応することで、トラブルの影響を最小限に抑えることができました。

ときには大変なこともありますが、航海が終わって港に入り、すべての機器を止める瞬間は、「今回も無事に終わってよかった」と安心しますし、自分がみんなの役に立てたと実感できますね。

新しい環境でも、仲間の力になれるように。

人として大きく成長できる環境があるのが、共同船舶の魅力だと思っています。私は要領があまり良いほうではなく、入社当時は怒られることも多かったんですけど、その中には貴重なアドバイスや励ましの言葉もたくさん含まれていたので、しっかりと話を聞くことを意識してきました。そして、それらの言葉を受けて、少しずつ自分の行動を改善していくことができました。今では立場も上がって、後輩に指導をする機会も増えています。ときには厳しいことを言わなければならない場合もありますが、できるだけ後に引かないような言葉遣いに配慮しています。私のことをしっかりと見て育ててくれた先輩たちに続けるように、私も後輩たちの力になれたら嬉しいです。

今後の目標は、新しく完成した母船「関鯨丸」の一員として、「松原がいるなら大丈夫だ」と言われる存在になることです。これまでの船とは設備がまったく異なるため最初は戸惑うことが多いかもしれませんが、1日でも早く慣れて、仲間や会社に貢献していきたいですね。