NEWS RELEASE 遺伝子レベルでフレイル(虚弱)予防
クジラの健康機能に関するメディアセミナー

2025.10.16

遺伝子レベルでフレイル(虚弱)予防<br>クジラの健康機能に関するメディアセミナー

日本捕鯨協会(谷川尚哉理事長)は9月25日、鯨肉・鯨油の機能性に関する最新の研究成果を一人でも多くの人に伝えるためのメディアセミナー「鯨の健康増進機能の新たな発見・最新研究成果 ~遺伝子レベルでフレイル予防~ 」を厚生労働省会見室で開きました。
厚労省記者クラブ加盟社など約25社・30人の報道陣が出席し、鯨肉・鯨油に関する機能性の最新情報に真剣に耳を傾けました。開催に当たっては日本鯨類研究所、共同船舶が協力しました。

鯨の健康増進機能の新たな発見

近年、海洋資源の持続的な活用とともに、健康・美容・認知機能などに関する食品の科学的価値への関心が高まっています。
かつては「鯨肉は食べてはいけない」「クジラは絶滅危惧種」という認識が広まっていたものの、現在は科学的根拠に基づき、①鯨類の種類によって資源量が十分に回復しており、持続的な捕鯨が可能である②鯨肉・鯨油には疲労回復・抗酸化・美肌・認知機能改善・育毛作用などの機能性成分が含まれている③クジラが過剰に増えると、海洋生態系のバランスを崩す恐れがあるーーなどの事実が明らかになってきました。このため「鯨肉・鯨油」が環境・健康・文化の観点から注目を集めています。

長寿・抗酸化・認知機能改善・美肌化・育毛作用など

今回のセミナーでは、持続可能な捕鯨と日本の食文化ついて、また、鯨肉・鯨油に含まれる成分「バレニン」や「DPA」「EPA」「DHA」などの長寿・抗酸化・認知機能改善・美肌化・育毛作用などについて、湘南医療大学薬学部の塩田清二教授、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の矢澤一良博士、共同船舶の所英樹社長が最新の科学的知見をもとに解説しました。
鯨肉に含まれる「バレニン」の摂取が、集中力向上・抗うつ作用に寄与するほか、鯨油の摂取によって、脂肪肝の改善・中性脂肪減少が動物試験で確認された事例が明らかにされました。また、鯨資源の持続性に関する最新データが示され「鯨を食べることが海洋生態系のバランス維持に貢献する」との視点も提起されました。

バレニンがサーチュイン遺伝子の発現を促進

日本捕鯨協会の谷川理事長は「鯨食文化は単なる伝統ではなく、環境・健康・経済に貢献する持続可能な資源の活用。かつて“クジラは食べてはいけない”とされた認識を、科学的エビデンスで覆す時期に来ている」と強調。塩田教授は「赤肉に多く含まれる“バレニン”が、サーチュイン遺伝子の発現を促進し、抗疲労作用や認知症予防効果を示唆する結果が得られた。今後も臨床的な応用に向けてさらなる研究を進めていく」と話し、鯨肉に含まれる成分「バレニン」による疲労回復・認知症改善の可能性を様々な実験事例を交えながら紹介しました。
矢澤博士は、鯨油に含まれる多価不飽和脂肪酸(DPA・EPA・DHA)が美肌、育毛、生活習慣病予防など幅広い作用を持つことを解説。「鯨油由来の脂肪酸は生活習慣病予防や美肌、育毛効果など多岐にわたる機能を持ち、食品・サプリメント・化粧品など産業応用の可能性も大きい」と述べ、食による予防医学の観点から、クジラは大きなポテンシャルを秘めていると強調しました。

部活動の高校生 集中力アップ・疲労感軽減・睡眠の質向上

共同船舶の所社長はバレニン摂取の実証事例を紹介し、部活動で運動する高校生350人を対象とする鯨サプリの摂取試験で集中力アップ、疲労感軽減、睡眠の質向上が得られたことを報告しました。
さらに「持続可能な捕鯨は、日本の食文化を守るだけでなく、水産業全体の未来を切り拓く。鯨肉・鯨油の機能性を科学的に証明することで、若い世代にも新しい食の価値を伝え、日本ならではの資源循環型の社会を実現できる。クジラを食べ、皆で若返ろう」と呼びかけました。